そうそう,ベルギーには面白い法律があって『国際人道法違反処罰法』とか『戦争犯罪法』というようだ.
正式名称がよくわかんない^^;;英文での解説は
これ.
これは戦争犯罪をベルギーの国内法で裁ける!
ってことで,なんとパウエルがベルギーを訪れたら刑務所に送り込むことが可能になるかもしれなかった(笑)
ベルギーにはNATOの本部もあるし,EUの本部もあるし,チャンスはあったはずだ.
(今は骨抜きになっちまってつまんねーが...)
-----以下は村上龍氏のメルマガ『[JMM266F]「桜の園」オランダ・ハーグより』にて春 具さんが紹介していた.------
戦争犯罪法は、ベルギーが制定したかなり革命的な法であります。ベルギー人は国
際社会でジェノサイドとか人道犯罪とか戦争犯罪に関与した人物を彼らの国籍に関わ
らず、この法律で告訴できるというもので、すでに告訴された人物は、イスラエルの
アリエル・シャロン氏、キューバのフィデル・カストロ氏、アメリカのジョージ・ブッ
シュ大統領(シニアのほう)、コリン・パウエル氏、サダム・フセイン氏、ヤサー・
アラファト氏などである。この法はこれまでには、1994年にジェノサイドに関わっ
たルアンダ人のグループに適用され、彼らは告訴されて有罪となり、いま15年の刑
に服しております。この法律のミソは、彼らはいまは国外にいてもベルギーに入って
きたとき、この法で逮捕され、裁判にかけられるというもので、だから、彼らが何か
の用でベルギーを訪れたとき、つまりパウエル氏などがNATOとかEUを訪問した
とき、ベルギー検察は彼らを逮捕し、告訴できるというものである。
この法律は、実際にそのパウエル氏がNATOを訪問するという予定ができたから
アメリカを激怒させ、ブッシュ政権は、法律を変えないとNATO本部をベルギーか
ら移すぞとまで凄み、いろいろな曲折を経て、結局この法律は最近、「ベルギー(国
民あるいは政府)が関与しているとみられる戦争犯罪」という風に修正された。さら
には「この修正は遡及する」として、シャロン、ブッシュ、パウエル氏らそれぞれを
リストから外してしまったのであります。
こうして、今では彼が悔しがるように、この戦争犯罪法は実質的に骨抜きにされて
しまったわけですが、「まあ、それでも一応おれたちはアメリカに楯突いたのだ。オ
ランダみたいに無批判にアメリカにくっついていくよりはいいだろう」。ベルギーの
隣国であるオランダは、アメリカの意向を受けて即座に1100人ほどをイラクに送っ
ていますが、そのアメリカべったりへの批判も忘れなかったのは、さすがであった。
民主政治というのは、人によってはカタルシスの開放の場でもあるのであります。
ベルギーは自国がコンゴで行った植民地支配(ツチ族とフツ族との対立で虐殺原因を作った)をやったが
自国のことは裁かないんだよなぁ.